関根正二が文展に出品したとする文献はいくつか存在しますが、はっきりした証拠はないので、事実かどうかは分かりません。仮に出品したのだとしても、入選はしていません。
関根は二科展を主な作品発表の場としましたが、二科展は同時に文展に出品しようとする者の出品を認めていませんでした。関根自身も文展に反感を持っていました。したがって、彼が文展に出品した可能性はかなり低いと思われます。出品する動機として考えられるのは、文展に入選することで世間的に認知され、自作が売れるようにして金銭を得ることぐらいではないでしょうか。生涯貧困に悩むことが多かった彼としては、そのためにやむを得ず出品したということはありうるかもしれません。 文展出品の問題については、今後もっと詳しく解説していく予定です。 |